REQLY開発ブログ

プロの料理レシピ専門検索エンジンREQLY(レクリー)の開発ブログです。

クックパッドから紐解く食材・調味料の入手困難度

はじめに

 こんにちは!エンジニアのkenboです。

 第1回目のブログとなりますので、簡単にREQLY(レクリー)について説明させていただきます。REQLYは、ウェブ上に公開されたプロの料理家によるレシピの中から希望のレシピを効率的に見つけ出す検索プラットフォームを提供しています。ぜひ、一度使ってみてください!

 

食材・調味料のレア度について

 第一回目の内容は、料理で使われている食材・調味料のレア度についてです。普段レシピ検索サイトを使っていて、せっかく作りたい料理を見つけたのに詳細を見てみると食材・調味料が足りなくて作れないということがありますよね。こんな時に、料理を選んでいる段階で珍しい食材が何か教えてくれたら便利ではないでしょうか。REQLYでは、レシピカードにカーソルをホバーした時に画面右側に材料カードと呼ばれるものが表示されます(図1)。

 

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図1 webページ版トップ画面の説明

 

この材料カードには、料理に必要な食材が表記されているだけでなく一般の家庭になさそうな食材の左側には?マークが表示されるようになっています(図2)。これらのハテナ食材をもとに、料理の詳細を見るのか、買い物に行くスーパーをどこにするのかなどを考えてもらえればと思います。

 

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図2 材料カードの例

 

ハテナ食材の推定について

 では、実際にどのようにしてハテナ食材を推定しているのか説明します。REQLYでは、一般的な家庭にあまりない食材・調味料は、レシピサイトにおいて出現回数が少ないという仮定のもとハテナ食材を推定しています。一般的な家庭にあるかという点を判断基準とするため、ユーザー投稿型で290万件以上のレシピが掲載されているクックパッドのデータを用いることにしました。

 まず、レシピによって食材名の表記にばらつきがあるため、解析、検索の精度向上のためにはオントロジーを定義する必要があります。例えば、調味料の味覇では10個ほどの表現方法があります。これらを全て同一の食材と認識するため、オントロジーテーブルを作成しました。

 

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図3 食材オントロジーの概念図

 

 その後、食材を6種類のカテゴリ (主食、魚類、肉類、野菜、調味料、その他)に分けました。このブログでは、調味料について見ていきます。調味料はオントロジーテーブルを用いて約70種類に分類されます。それらについて、出現頻度を見ると次のような結果が得られました (図4)。結果を見ると大きく3つの領域に分けられそうです。赤色と黄色の領域の境界線の決め方は少し難しいですが、全体的に一般家庭の調味料の在庫状況を反映できていると思います。

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図4   クックパッドでの調味料の出現頻度

 今回は調味料を例に見ましたが、他のカテゴリについても出現頻度から一般家庭の食材事情が見えそうです。REQLYではこれらの出現頻度をもとに各食材・調味料に対して入手困難度をスコア化しています。このスコアをもとに、前述の材料カード上でハテナ食材を表示したり、検索フィルターとしてシンプルな食材のみで作れるレシピだけに絞り込むということを実現しています。

 

 

おわりに

 第一回目のブログでは、材料カードに記載された?マークの意味とその導出方法について説明させていただきました。次回のブログでは、検索フィルタで用いられている各フィルタの推定器について説明していきたいと思います。